高齢化が日本で一番進んでいる群馬県の村に、名物のパンがあった。店主は昨年亡くなったが、東京から移住した若者が石窯を継いだ。レシピもなく、試行錯誤を重ねながら、新たなパン作りに挑んでいる。
村を囲む山々にうっすらと雪が積もった1月の朝。群馬県南牧村に立つ小屋の煙突から、白い煙がもくもくと立ち上った。村の人口は1600人あまり。65歳以上の割合(高齢化率)は65・2%で、全国で最も高い。
年季の入った石窯から焼きたてのパンを取り出したのは、鈴木雄祐さん(24)。昨年5月に移住したばかりだ。石窯などの設備は、7月に83歳で亡くなった中沢虎雄さんが、名物の「とらおのパン」を焼くために使っていた。亡くなる数カ月前、村に寄付した。
村が設備を使いたいという人…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル